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シックスセンスで愛して

不思議な関係の友達がいる。

 

友達なのかも、よくわからないけど。私はその子のことを何も知らない。その子の表情や言葉がどんな意味を帯びているかわからない。2年間同じ教室で前後で座っていたのにね。自分のことを隠すことを当たり前かのようにしている子、という風に見えていたから。

私はその子が羨ましかった。ミステリアスなその子になりたかった。頭もとても良くて、論理的思考の上手な子だった。

でも、たまにLINEすると、子どもみたいな返事が返ってきた。特に恋愛に関しては、何だか本当に好きという事すらわからないようだった。あの時の私は、その返事にすら羨望を抱いた。この発言の裏にはどんな意図があるんだろうと、裏を裏を読もうとした。

 

今思うと、あの子は案外普通の子だったのかもしれない。裏を読んで、妙に小難しい返事を返す私を、彼女は「よくわからない」と言っていた。

この間誕生日にメッセージを送った返事は、「君の言葉は難しそうで深そうに見えるね」と言った。皮肉なのか、素直な感想なのかはやっぱり私にはわからない。

 

彼女はよく誤解される子だった。彼女の発言力があまりにも大きいから(それは彼女のユーモアセンスもあるんだけど)、いわゆる裏ボスだったし、恐れられているところもあった。そのこわさで、素直な感想が嫌味だと取られることもあった。

高飛車な彼女が好きだった。京大を目指しているあの子は、阪大志望の男友達を、「案外頭良いんだね」と言った。そのアイロニックな精神性が死ぬほど好きだと思った。そうそう、こういう所があるから、わたしは彼女を皮肉屋だと思っていた。

 

やっぱり今も、私は彼女のことがわからない。理解できない。それでも、好きだという事実だけは変わらないだろう。そうだ、これが恋だったんじゃないか。そういえば、大人になると打算的な恋をするようになってしまうのだという話を彼女とした事がある。大人になれば、大人になれる、とつんくちゃんも言っていたし、私はいつまでも感覚で恋したいと思った。